ロザリオ

2024年 5月 5日 日曜日 - 栄えの玄義 - Beato Nunzio Sulprizio ( Letture di oggi )

ロザリオ

ロザリオ(イタリア語など:ラテン語: rosārium)は、カトリック教会における祈りの種別、および使用される数珠状の祈りの用具を指す言葉。日本ではキリシタン時代からコンタツ(contas, 葡語)とも呼ばれてきた。ロザリオは手で手繰って祈るもので、文化・地域により受け取り方には差はあれど、首にかけるのはふさわしくないとされることが多い。形状としては、小さなものは数珠10個に十字架だけというシンプルなもの、大きなものでは十字架だけでなく、キリストの像や不思議のメダイ(メダル)(Miraculous Medal)がついているものもある。 カトリック教会以外の教派においては、プロテスタントのごく一部の教派を除いてロザリオはまず用いられない。正教会にはコンボスキニオン(チョトキ)と呼ばれる数珠状の祈りの用具があるが、ロザリオとは形状や用い方・祈りが異なる。ただし手で手繰って祈ることや、首にかけるなどはしないことでは、ロザリオと共通点がある。なお、コンボスキニオンはロザリオの起源ともされる[1]。 語源について、ドイツのインド学者アルブレヒト・ヴェーバーは、インド仏教で用いられていた数珠(japa-mālā 、字義は「低い声で念じ唱える+(花)輪」)が西洋に伝えられた際に「バラの花輪(japā-mālā)」と解釈され、それが西洋諸語に直訳され取り入れられたのだとしている[2]。 カトリックでは定型文の祈祷を毎日捧げることを習慣にしている人が多い。 ロザリオは、聖母への祈りを連ねて唱えることで、聖母マリアに霊的なバラの冠を捧げる祈りを指す言葉であると同時に、その祈りの際に祈りの回数を確認するために用いる数珠状の用具の名称でもある。 伝統的には、カトリック信者はロザリオを肌身離さず持ち歩き、仕事の合間などに時間があればロザリオを唱えていた。 * ロザリオの玄義(神秘)およびその配分について 伝統的に、三つの玄義が定められていた時は、一日一環(一玄義)を唱える場合、「喜びの玄義」を月曜と木曜、「苦しみの玄義」を火曜と金曜、「栄えの玄義」を水曜、土曜、日曜に黙想する習慣がある。 教皇ヨハネ・パウロ2世によって「光の神秘」が提案されてからは、「喜びの神秘」を月曜と土曜、「光の神秘」を木曜、「苦しみの神秘」を火曜と金曜、「栄えの神秘」を日曜と水曜に黙想することが提案されている。 各玄義(神秘)の内容は以下の通りである。 <喜び> 1、聖母マリアの受胎告知 2、聖母のエリサベト訪問 3、主の誕生 4、聖母、主を神殿に奉献 5、神殿での主イエスの発見 <光> 1、主の洗礼 2、カナの婚礼での奇跡 3、主の宣教開始 4、主の変容 5、最後の晩餐での聖体の制定 <苦しみ> 1、主のゲッセマネの祈り 2、鞭打ち 3、茨の冠 4、十字架の道行き 5、十字架上での死去 <栄え> 1、主の復活 2、主の昇天 3、聖霊降臨 4、聖母の被昇天 5、聖母の戴冠(または主の再臨) 各連を唱えるにあたってどのような恩恵を願うかは、祈祷書によって異なり、特に記されていないことも多い。 五連(一環)のロザリオを用いた基本的な祈り方は以下の通りである。 十字架の印を(いわゆる「十字を切る」)したあと、十字架で「信仰宣言」を唱える(洗礼式の信仰宣言、使徒信条、ニケア・コンスタンチノープル信条のどれでもよい)。次の珠で主の祈り、次の三つの珠で信仰・希望・愛の三元徳を願いアヴェ・マリア - 天使祝詞を三回、最後に栄唱を唱える。ここまでが導入部分となる。 次の珠で第一の玄義と主の祈りを唱える。連結しているメダイを持って唱えることも多いが、導入部分の最後の珠が起源的には最初の玄義を唱える箇所である。その後、珠を繰りながらアヴェ・マリア - 天使祝詞-聖母マリアへの祈りを十回唱える。締めくくりに栄唱を唱え、これが「一連」となる。これに、ファティマの祈りや大天使聖ミカエルへの祈りをつけ加えることがある。 同様にして、第二の玄義、主の祈り、十回のアヴェ・マリア - 天使祝詞-聖母マリアへの祈り、栄唱、第三玄義……、第四玄義……、第五玄義……と珠を繰って祈る。このように一環祈った後、 サルヴェ・レジーナ(Salve Regina 元后あわれみの母)、聖マリアの連祷|聖マリアの連願などをつけ加えることがある。